## ホッブズのリヴァイアサンの普遍性
普遍性を示唆する要素
ホッブズの『リヴァイアサン』は、17世紀のイングランド内戦という特殊な時代背景の中で書かれた作品ですが、その主張には時代を超えて広く適用できる普遍性が認められます。
自然状態
ホッブズは、国家が存在しない「自然状態」では、人間は自己保存の欲求と、それを達成するための能力において平等であると論じます。 自己保存と自己愛に基づいて行動する人間は、限られた資源を奪い合い、常に死の恐怖に怯えながら生きることを余儀なくされます。 この「万人の万人に対する闘争」状態は、特定の文化や歴史に依存しません。
社会契約
自然状態の悲惨さから逃れるため、人々は理性に基づき、自然権の一部を放棄し、絶対的な主権者である「リヴァイアサン」に統治を委ねます。 社会契約によって成立した国家は、人々に安全と秩序をもたらし、文化や文明の発展を可能にします。 社会契約論は、特定の政治体制に限定されず、国家の起源と本質を説明する普遍的な理論として解釈できます。
人間の nature
ホッブズの思想の根底には、人間の nature に関する普遍的な前提があります。 彼は、人間は理性的な存在であると同時に、情念や欲望に大きく左右される存在であると捉えます。 理性は、自己保存のために最善の手段を選択する能力ですが、情念はしばしば理性の判断を狂わせ、対立や紛争を引き起こします。 この人間観は、特定の時代や文化に限定されるものではなく、人間の行動原理を説明する普遍的な洞察を含んでいます。