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ペスタロッチのゲルトルートはいかにその子を教えるかに匹敵する本

ペスタロッチのゲルトルートはいかにその子を教えるかに匹敵する本

ルソー「エミール」

ジャン=ジャック・ルソーの「エミール」(1762年)は、当時の教育論を批判し、自然主義的な教育を提唱した画期的な作品です。ペスタロッチの「ゲルトルート」同様、「エミール」もまた、具体的な教育方法論を示すというよりも、人間形成における教育の重要性、そして自然に従った教育の必要性を訴えかけることに重点が置かれています。

ルソーは、人間は本来善なる存在であり、自然に従って成長することを妨げる社会の影響によって悪に染まっていくと主張しました。「エミール」では、架空の少年エミールを主人公に、自然の中で、社会の影響から隔離された環境で教育を行うことで、理性、道徳、感性を育む理想的な教育のあり方が描かれています。

「エミール」は、当時の社会に大きな衝撃を与え、後の教育改革運動に多大な影響を与えました。ペスタロッチもまた、「エミール」から大きな影響を受けており、両書は教育のあり方を根本から問い直すという点で共通しています。

デューイ「民主主義と教育」

アメリカの哲学者・教育学者ジョン・デューイの「民主主義と教育」(1916年)は、20世紀の教育思想に最も大きな影響を与えた書物のひとつとして知られています。本書でデューイは、教育を単なる知識の伝達ではなく、子どもたちが社会の中で主体的に生きていくための力を育むプロセスとして捉え直しました。

デューイは、伝統的な教育が、教師から生徒へ一方的に知識を注入する形式に偏っていることを批判し、子どもたちが自らの経験を通して能動的に学びを構築していくことの重要性を説きました。また、真の教育は、社会とのつながりの中で行われるべきであり、民主主義社会においては、子どもたちが批判的思考力や問題解決能力を身につけ、社会に主体的に参加していくことが重要であると主張しました。

「民主主義と教育」は、経験主義、プラグマティズム、民主主義の理念を教育に取り入れた画期的な著作であり、現代の教育にも通じる普遍的な価値観を示しています。ペスタロッチが「ゲルトルート」で示した、子ども中心の教育、生活と結びついた教育という思想は、デューイの教育論にも通じるものがあり、両書は時代を超えて教育の本質を問いかける古典として読み継がれています。

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