## ベーコンのノヴム・オルガヌムの面白さ
1. 偶像の概念が斬新
ベーコンは、人間が正しい認識を妨げる要因として「偶像」を挙げ、4つの種類に分類しました。
* **種族の偶像**: 人間であれば誰しもが持っている、感覚や思考の癖から生じる偏見
* **洞窟の偶像**: 個人の経験や知識、嗜好などに基づく偏見
* **市場の偶像**: 言葉の曖昧性や誤用から生じる偏見
* **劇場の偶像**: 古い学説や権威への盲信から生じる偏見
これらの偶像は、現代社会においても通じるものばかりです。私たちは無意識のうちに偏見に囚われており、それが正しい判断を妨げている可能性があります。ベーコンの洞察は、現代人にとっても重要な示唆を与えていると言えるでしょう。
2. 科学的方法の提唱が画期的
ベーコンは、帰納法を重視した科学的方法を提唱しました。帰納法とは、多くの個別具体的な事例から、共通する法則や原理を導き出す推論方法です。
従来のアリストテレス的な演繹法は、すでに知られている一般的な原理から個別の事柄を説明するものでしたが、新しい知識を生み出すことはできませんでした。
ベーコンは、観察や実験を通して得られた経験的事実から、帰納的に法則を見出すことが重要だと考えました。そして、その過程で偶像を排除し、客観的な視点を持つことを強調しました。彼の提唱した科学的方法は、その後の科学革命の礎となりました。
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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。