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ベーコンのノヴム・オルガヌムと時間

ベーコンのノヴム・オルガヌムと時間

時間に関するベーコンの考察

フランシス・ベーコンの主著『ノヴム・オルガヌム』(1620年)は、帰納法を提唱し、科学的方法の確立を目指した書として知られています。この著作の中でベーコンは、時間そのものについて深く考察しているわけではありません。ベーコンの関心は、あくまでも自然現象を観察し、そこから普遍的な法則を導き出すための適切な方法論の確立にありました。

「イドラ」と時間の影響

ベーコンは、人間が正しい認識を妨げるものとして、「イドラ」と呼ばれる4種類の偏見を挙げました。その中には、「種族のイドラ」(人間の感覚器官や思考様式の限界に由来する偏見)や「洞窟のイドラ」(個人の経験や知識の偏りに由来する偏見)などが含まれます。これらのイドラは、時間経過とともに形成され、人間の認識に影響を与えると考えられます。

帰納法における時間

ベーコンが提唱した帰納法は、個々の事例の観察から一般的な法則を導き出す方法です。この過程において、時間経過は重要な要素となります。なぜなら、多くの現象は時間経過の中で変化し、その変化を観察することで初めて、背後にある法則を見出すことができるからです。

時間の概念の変遷

ベーコンの時代以降、時間の概念は、ニュートン力学、相対性理論、量子力学などの影響を受け、大きく変化してきました。ベーコン自身は、絶対的な時間概念を前提としていたと考えられますが、現代の物理学では、時間は空間と不可分な関係を持つ相対的なものとして理解されています。

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