## ベルクソンの創造的進化の表象
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表象と持続
ベルクソンにとって、我々が通常「表象」と呼ぶものは、現実の単純化であり、行動のための道具として機能します。彼は、我々が知覚や記憶を通じて世界を把握する際、実際には純粋な持続、すなわち絶えず変化し続ける流れを断片化し、静止したイメージへと変換していると主張します。
この断片化は、実用的な目的のために必要とされます。なぜなら、絶え間なく変化する現実の全体を一度に把握することは不可能だからです。しかし、この断片化によって、我々は現実の本質を見失ってしまうことになります。
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表象と知性
ベルクソンは、知性と結びついた表象が、空間化を伴うと指摘します。知性は、物事を分析し、分類するために、それらを空間的に切り離し、固定しようとします。
これは、科学的な思考においては有効な方法ですが、生命や意識のように、本質的に時間的な現象を理解するには不十分です。なぜなら、生命や意識は、絶えず変化し続ける流れであり、静止したイメージへと還元することができないからです。
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表象と直観
ベルクソンは、表象を超えて現実の真の姿を捉えるためには、「直観」が必要であると主張します。直観とは、知性のように分析や抽象化を用いるのではなく、対象に共感し、その内側から理解しようとする能力です。
直観によって、我々は、知性によって切り離された断片ではなく、現実の全体性、すなわち持続を把握することができます。
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表象と進化
ベルクソンは、進化を、生命の躍動が物質の抵抗を克服していく過程として捉えます。そして、この過程において、知性と結びついた表象は、環境に適応し、生存するために必要な道具として発達してきました。
しかし、表象はあくまでも道具であり、現実の完全な理解を提供するものではありません。真の進化は、直観を通じて持続を把握し、生命の創造的な流れに参画することによって達成されるとベルクソンは考えます。