## ベルクソンの創造的進化の普遍性
生命の持続としての進化
ベルクソンにとって、進化とは単なる生物学的な現象ではなく、
宇宙全体に浸透する根本的な創造的衝動、「生の躍動（elan vital）」の現れです。 この「生の躍動」は、物質を絶えず新しい形態へと駆り立てる力であり、生命はその最も顕著な表現です。
閉鎖系と開放系
ベルクソンは、生命を機械論的な「閉鎖系」として捉えることを批判し、生命は常に変化し続ける「開放系」であると主張しました。
機械論的な世界観では、すべては決定されており、未来は過去によって完全に決定されています。 しかし、ベルクソンの「生の躍動」は、この決定論的な見方に異議を唱え、生命には常に新規性を創造する力があると主張します。
持続と創造
ベルクソンの哲学の中心概念である「持続」は、絶え間なく流れ行く意識の流れを指します。 この持続は、過去・現在・未来が不可分に結びついたものであり、絶えず変化し続ける動的なものです。
そして、この「持続」こそが創造の源泉となります。 つまり、進化とは、この持続が物質世界に形を与え、絶えず新しい形態を生み出すプロセスなのです。
直観と知性
ベルクソンは、生命の真実に到達するためには、分析的で知的な理解ではなく、直観的な把握が必要であると主張しました。 知性は、世界を静止した断片へと分割し、分析しようとします。 しかし、生命は絶え間ない流れであり、知性では捉えきれません。
一方、直観は、持続する生命の流れそのものを直接的に把握することを可能にします。
進化における多様性
ベルクソンの進化論は、単線的な進歩を想定するものではありません。 「生の躍動」は、多様な方向へと展開し、その結果として生命の多様性が生まれます。
進化は、あらかじめ決められた目標に向かって進むのではなく、予測不可能な道のりを、創造的に切り開いていくプロセスなのです。