## ヘーゲルの精神現象学に匹敵する本
1. イマヌエル・カント著「純粋理性批判」
「精神現象学」と同様に、西洋哲学の根幹をなす記念碑的作品であり、認識論、形而上学、倫理学など、多岐にわたる分野に影響を与えました。
カントは本書において、人間の理性には限界があり、経験を超えた世界の真の姿(物自体)を知ることはできないという立場をとります。彼は、時間や空間といった概念は、外界の客観的な性質ではなく、人間の認識の形式であるとし、理性は経験によって与えられた素材をこれらの形式によって構成することによってのみ、認識が可能になると主張しました。
この「コペルニクス的転回」と呼ばれる思想は、それまでの哲学に大きな衝撃を与え、後のドイツ観念論、現象学、構成主義など、様々な思想を生み出す基盤となりました。
2. チャールズ・ダーウィン著「種の起源」
「精神現象学」が哲学の世界に革命をもたらしたように、「種の起源」は生物学、ひいては自然科学全体にパラダイムシフトを引き起こしました。
ダーウィンは本書において、自然選択説に基づいた進化論を体系的に展開し、生物は神によって創造された不変の存在ではなく、共通祖先から長い時間をかけて進化してきたことを示しました。
彼の主張は、当時のキリスト教的な世界観と真っ向から対立するものであり、激しい論争を巻き起こしました。しかし、その後の科学的な検証を経て、進化論は生物学の基本原理として広く受け入れられるようになりました。
3. アイザック・ニュートン著「プリンキピア」
正式名称は「自然哲学の数学的諸原理」。古典力学の基礎を築いた金字塔であり、近代科学の出発点とも言える著作です。
ニュートンは本書において、万有引力の法則、運動の法則などを数学的に厳密に体系化し、地上の物体と天体の運動を統一的に説明することに成功しました。
彼の理論は、それまでのアリストテレス的な自然観を一掃し、近代科学の勃興を促しました。また、自然現象を数学的に記述するという手法は、その後の科学の発展に大きな影響を与えました。