プルードンの経済的諸矛盾の体系の対極
プルードンの批判に対する反応
プルードンは、「経済的諸矛盾の体系」において、社会主義思想を含めた当時の経済学説を批判し、独自の経済理論を展開しました。 彼の批判は広範囲に渡り、多くの論者を巻き込んだ激しい論争を巻き起こしました。 特に、マルクスは「哲学の貧困」を著し、プルードンの論理矛盾や歴史分析の不足を鋭く批判しました。
「資本論」：対極に位置する経済学の金字塔
プルードンの「経済的諸矛盾の体系」に対する最も重要な反論の一つ、そして対極に位置する歴史的名著として、カール・マルクスの「資本論」が挙げられます。 マルクスは、「資本論」において、資本主義経済の構造を歴史的に分析し、その内部矛盾を明らかにしました。
労働価値説に基づく資本主義批判
マルクスは、プルードンも支持していたリカードの労働価値説を継承・発展させ、資本主義における搾取の構造を解明しました。彼は、労働者が生産する価値と、労働者が受け取る賃金の差額が、資本家によって搾取される剰余価値であると論じました。
唯物史観と階級闘争
プルードンの抽象的な議論とは対照的に、マルクスは唯物史観に基づき、生産力と生産関係の矛盾によって歴史が発展すると主張しました。 彼は、資本主義社会における資本家階級と労働者階級の対立が、歴史の必然的な帰結である階級闘争を生み出すと論じました。
資本主義の将来と共産主義社会
マルクスは、「資本論」の中で、資本主義が内包する矛盾によって、資本主義は必然的に崩壊し、共産主義社会が出現すると予測しました。 彼は、共産主義社会では、生産手段の私的所有が廃止され、階級のない平等な社会が実現すると構想しました。