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プルーストの失われた時を求めてを読んだ後に読むべき本

## プルーストの失われた時を求めてを読んだ後に読むべき本

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プルースト的世界観の余韻に浸るなら

プルーストの壮大な物語世界から現実に戻り、日常の些細な出来事に再び心を揺さぶられるような経験を求めるなら、**ヴァージニア・ウルフの「ダロウェイ夫人」**がおすすめです。

プルーストが「失われた時を求めて」で描いたのは、フランス貴族社会の華やかさと退廃、そして過ぎ去った時間への郷愁でした。ウルフは「ダロウェイ夫人」で、第一次世界大戦後のロンドンを舞台に、ある一日を丁寧に描写することで、登場人物たちの内面世界を浮き彫りにします。

一見平凡な日常の中にも、喜びや悲しみ、愛や孤独が織りなす複雑な感情の揺れ動きが存在することに気づかせてくれるでしょう。意識の流れに沿って語られる文章は、プルーストの作品を彷彿とさせ、読者はまるで登場人物の心の中を覗き込んでいるかのような感覚を覚えるはずです。

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異なる文化に触れ、新たな視点を得るなら

「失われた時を求めて」を通じてヨーロッパ文化の深淵に触れた後、異なる文化圏の作品を読むことで、新たな視点を得ることができるでしょう。そこでおすすめしたいのが、**紫式部の「源氏物語」**です。

平安時代の宮廷社会を舞台に、光源氏とその子孫たちの恋愛模様を描いた「源氏物語」は、世界最古の長編小説とも言われています。

「失われた時を求めて」が男性主人公の視点で語られるのに対し、「源氏物語」は女性作家によって書かれた作品であり、女性ならではの繊細な心理描写が光ります。異なる文化、異なる時代背景で描かれた人間関係や恋愛模様を通して、普遍的な人間の愛と苦悩について改めて考えさせられるはずです。

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哲学的思索を深めるなら

「失われた時を求めて」は、時間や記憶、意識といった哲学的なテーマを内包した作品です。プルーストの思索に共鳴し、さらに深く哲学の世界を探求したいと考えるなら、**アンリ・ベルクソンの「物質と記憶」**を読むことをおすすめします。

ベルクソンは、人間の意識や記憶は、物質的な世界とは異なる次元で存在するという独自の哲学を展開しました。プルーストはベルクソンの哲学に大きな影響を受けたとされており、「失われた時を求めて」にもその影響は色濃く反映されています。

「物質と記憶」を読むことで、プルーストの作品世界をより深く理解できるだけでなく、時間や記憶、意識といった深遠なテーマについて、改めて自分自身と向き合い、思索を深めることができるでしょう。

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