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プリゴジンの混沌からの秩序の選択

## プリゴジンの混沌からの秩序の選択

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プリゴジンと自己組織化

ロシア生まれのベルギーの化学者であるイリヤ・プリゴジン(1917-2004)は、非平衡熱力学、特に散逸構造の研究で1977年にノーベル化学賞を受賞しました。プリゴジンは、一見混沌とした状態から秩序が自然発生的に生まれることを「自己組織化」と呼びました。

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熱力学第二法則と散逸構造

熱力学第二法則は、孤立した系のエントロピーは時間とともに増加し、最終的には最大値に達すると述べています。エントロピーは、系の無秩序さの尺度と考えることができます。つまり、熱力学第二法則は、自然は秩序から無秩序へと向かう傾向があると示唆しているように思われます。

しかし、プリゴジンは、開放系、すなわち周囲とエネルギーや物質を交換できる系では、エントロピーが減少し、秩序が形成される可能性があると主張しました。このような開放系では、エネルギーの流れが、自己組織化と呼ばれるプロセスを通じて秩序を生み出す原動力となる可能性があります。

プリゴジンは、自己組織化の結果として生じる秩序だった構造を「散逸構造」と呼びました。散逸構造は、エネルギーの流れが維持されている限り、その秩序を維持することができます。

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プリゴジンの研究の意義

プリゴジンの研究は、自然界における秩序の出現に対する理解を深めました。彼の仕事は、物理学、化学、生物学、社会学など、さまざまな分野に影響を与え、自己組織化の概念が、パターン形成、進化、さらには意識の出現などの現象を説明するために用いられています。

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