プリゴジンの混沌からの秩序の企画書
書籍名
プリゴジンの混沌からの秩序
著者
イリヤ・プリゴジン
企画趣旨
本書は、伝統的な科学が扱うことのできなかった「不可逆性」と「複雑系」という概念に焦点を当て、非平衡状態から秩序が生まれるメカニズムを明らかにする画期的な科学書です。
本書で扱う内容
* **熱力学第二法則(エントロピー増大の法則)の再解釈**: 熱力学第二法則は、孤立系においてはエントロピーが増大し続けることを示唆していますが、現実世界では秩序立った構造が存在しています。本書では、この矛盾を、開放系における「散逸構造」という概念を用いて説明します。
* **散逸構造の理論**: 散逸構造とは、エネルギーや物質の流れが存在する非平衡状態において自己組織化によって形成される秩序構造です。本書では、具体的な例として、ベナール対流やベロウソフ・ジャボチンスキー反応などを挙げながら、散逸構造の形成メカニズムを解説します。
* **時間と不可逆性の問題**: 古典力学や量子力学では、時間の流れは可逆的なものとして扱われてきました。しかし、現実世界では時間は不可逆的に流れており、過去と未来は区別されます。本書では、不可逆性を時間の本質的な性質として捉え直し、散逸構造の形成と進化という視点から時間の流れを考察します。
* **生命現象への応用**: 生命現象もまた、散逸構造の一種として捉えることができます。本書では、細胞、生物個体、生態系といった様々なレベルにおいて、秩序と進化がどのように生み出されるのかを探求します。
想定読者
* 自然科学、特に物理学、化学、生物学に興味を持つ学生・研究者
* 複雑系科学や非線形科学に関心のある読者
* 現代科学の新たな可能性を探ることに意欲的な一般読者
本書の構成(予定)
序章
第一部 秩序の崩壊
第二部 散逸構造
第三部 時間と不可逆性の対称性の破れ
第四部 生命の挑戦
終章