## プリゴジンの混沌からの秩序
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プリゴジンの混沌からの秩序
この表現は、ロシアの学者イリヤ・プリゴジンが提唱した、非平衡熱力学における概念である「散逸構造」を指している可能性が高いと考えられます。
プリゴジンは、従来の熱力学では説明が困難であった、生命現象のような秩序だった構造が、どのようにして無秩序な状態から生じるのかを解明しようと試みました。
彼の研究によると、熱力学的に平衡状態にない「非平衡系」においては、系に流れ込むエネルギーと系から出ていくエネルギーのバランスが崩れることにより、一見すると無秩序な状態から、ある条件下で秩序だった構造が出現することがあります。
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散逸構造と自己組織化
プリゴジンはこのような秩序だった構造を「散逸構造」と名付けました。 散逸構造は、外部とのエネルギーのやり取りを通してのみ維持される動的な秩序であり、生命現象や社会現象など、様々なレベルで見られる現象です。
散逸構造の形成は、「自己組織化」と呼ばれるプロセスを通じて起こると考えられています。自己組織化とは、外部からの指示なしに、システムの構成要素が相互作用することによって、自発的に秩序が形成される現象です。
プリゴジンの研究は、従来の決定論的な世界観に、新しい視点を提供するものとして注目されています。彼の理論は、複雑系科学や非線形科学といった分野にも大きな影響を与え、生命の起源や進化の謎に迫る上でも重要な手がかりを与えていると考えられています。