プラトンの国家の案内
ソクラテス対話編
「国家」は、古代ギリシャの哲学者プラトンによって書かれた対話篇です。ソクラテス対話編と呼ばれる作品群の一つであり、プラトンの師であるソクラテスが主人公として登場します。ソクラテス対話編は、初期、中期、後期に分けられることがあり、「国家」は中期に位置づけられ、プラトンの思想が最も色濃く反映されている作品の一つと考えられています。
理想国家の探求
「国家」は、ソクラテスと他の登場人物たちが、正義とは何か、そして理想の国家とはどのようなものかについて議論する様子が描かれています。議論の中で、ソクラテスは、個人の魂の構造と国家の構造を対応させながら、正義とは、個人の魂においても、国家においても、それぞれの部分が自分の役割を果たすことであると主張します。
内容
対話は、ケパロス宅での饗宴から始まります。正義の定義をめぐる議論から、ソクラテスは、個人の正義を明確にするために、国家の正義を考察することを提案します。そして、護衛者、生産者という役割分担に基づく理想国家が構想され、さらに哲学者による統治という考え方が提示されます。
主なテーマ
「国家」で扱われる主なテーマには、正義、理想国家、イデア論、哲人王などがあります。特に、感覚的な世界を超越したイデアの世界と、その世界を認識できる哲学者こそが真の統治者であるべきだという主張は、プラトンの思想の核心を示すものとして知られています。