プラトンのティマイオスの話法
ソクラテス、ティマイオス、クリティアス、ヘルモクレイテスによる対話形式
「ティマイオス」は、ソクラテス、ティマイオス、クリティアス、ヘルモクレイテスの四人の会話形式で書かれています。ソクラテスが前日に自身が行った理想国家についての話を聞いた三人に、今度は彼らから話を聞かせてほしいと頼む形で物語は始まります。
ティマイオスによる宇宙論・自然論の展開
対話のほとんどは、ティマイオスによる宇宙論と自然論の解説に費やされます。ティマイオスは、宇宙の創造主であるデミウルゴスが、イデアをモデルに宇宙を創造したと説明します。彼は、宇宙の構成要素、天体の運動、動植物の発生など、多岐にわたるテーマを論じます。
神話的・推測的な表現
ティマイオスの言葉には、神話的・推測的な表現が多く見られます。彼は、宇宙の創造や人間の魂の起源など、理性的な説明が難しいテーマについて、神話や比喩を用いて説明を試みます。
クリティアスによるアトランティス伝説
ティマイオスの長い話の後、クリティアスがアトランティス伝説について語り始めます。彼は、アテナイの先祖がアトランティスという強大な帝国と戦ったという伝説を語り、アテナイの勇気と正義を称えます。
未完に終わる物語
「ティマイオス」は、クリティアスがアトランティス伝説を語り終えないまま、未完に終わります。プラトンはこの後、「クリティアス」という対話篇でアトランティス伝説の続きを書こうとしたようですが、こちらも未完に終わっています。