Skip to content Skip to footer

プラトンのティマイオスの発想

## プラトンのティマイオスの発想

宇宙の創生について

「ティマイオス」は、プラトンが晩年に書いたとされる対話篇であり、宇宙の創生、宇宙の構造、人間の魂と肉体など、広範なテーマを扱っています。その中心となるのは、架空の人物ティマイオスによって語られる宇宙生成論です。

ティマイオスは、宇宙が永遠に存在するのではなく、ある時点で創造されたという立場を取ります。彼は、宇宙を生成した者を「デミウルゴス」と呼びます。デミウルゴスは、永遠で不変の「イデア」をモデルとして、感覚的な物質からなる宇宙を創造したとされます。

イデアと可視世界

ティマイオスは、宇宙を構成する要素として、イデアと可視世界の二つを挙げます。イデアとは、永遠不変の真実在であり、感覚的に捉えることはできません。一方、可視世界は、我々が感覚的に認識できる物質世界であり、絶えず変化し、生成消滅を繰り返すとされます。

デミウルゴスは、善なる存在であるがゆえに、宇宙をできる限り美しく、完全なものにしようとします。そのため、永遠不変のイデアをモデルとして、可視世界を創造したとティマイオスは説明します。

幾何学と宇宙

ティマイオスにおける宇宙生成論の特徴の一つに、幾何学が重要な役割を果たしている点が挙げられます。ティマイオスは、宇宙を構成する四大元素(火、空気、水、土)が、それぞれ正四面体、正八面体、正二十面体、正六面体という正多面体の形をしていると説明します。

さらに、これらの正多面体は、究極的には直角三角形から構成されるとされます。ティマイオスは、宇宙の秩序と美が、幾何学的比例に基づいていると考えたのです。

人間の魂と肉体

ティマイオスでは、人間の魂と肉体についても論じられます。魂は、デミウルゴスによって創造され、イデアの世界に属する不滅の存在だとされます。一方、肉体は、物質からなる可視世界に属し、魂を閉じ込める牢獄のようなものだとされます。

魂は、本来、イデアの世界にいましたが、肉体に転落したことにより、この世に生を受けたとされます。そして、肉体から解放された魂は、その生前の行いによって、天上の世界に昇るか、あるいは再び地上に転生するかが決まるとされます。

Amazonで購入する

Leave a comment

0.0/5