プラトンのティマイオスの対極
アリストテレスの「物理学」
「ティマイオス」では、プラトンは宇宙の創造について神話的・寓話的な説明を試みています。彼は宇宙を創造した神 demiurge の概念を導入し、世界を魂と肉体、イデアと現象という二元論的な枠組みで捉えました。
一方、アリストテレスの「物理学」は、観察と経験に基づいた自然世界の探求を重視しています。アリストテレスは、宇宙は永遠に存在し、創造も終焉もないと主張しました。彼はまた、プラトンのイデア論を批判し、形相と質料という独自の概念を用いて、物事の存在とその変化を説明しようとしました。
「ティマイオス」と「物理学」は、どちらも古代ギリシャにおける自然哲学の重要な著作ですが、そのアプローチは根本的に異なります。プラトンが神話とイデアを用いて宇宙の秩序と美を説明しようとしたのに対し、アリストテレスは経験と論理に基づいて、自然現象の原因と原理を解明しようとしました。