## プラトンのゴルギアスの美
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快楽と善の関係性
「ゴルギアス」において、ソクラテスは修辞学の巨匠ゴルギアスやその弟子ポロス、そしてカッリクレスといった雄弁家たちと対話を繰り広げます。 この対話の中でソクラテスは、雄弁術が快楽を与えるものであることを認めつつも、それが真に
善いものであるかどうかを問いただします。 ソクラテスは、快楽と善を同一視する議論を展開するカッリクレスに対し、快楽のみに従うことは節制に欠け、真の幸福をもたらさないと主張します。
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肉体的な美と精神的な美
ソクラテスは、美しさにも二つの種類があると主張します。 一つは肉体的な美しさであり、もう一つは精神的な美しさです。 ソクラテスは、肉体的な美しさは一時的なものであり、老いや病気によって容易に失われてしまうと指摘します。 一方で、精神的な美しさは、知性や徳といった不変の価値によって支えられているため、より高貴なものであるとされます。
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美しさは調和と秩序から生まれる
ソクラテスは、真の美しさは調和と秩序から生まれると主張します。 肉体であれ、言葉であれ、あるいは政治体制であれ、それぞれの要素が適切な秩序と調和を保つことによって初めて、真の美しさが実現されると考えます。 逆に、無秩序や不調和は醜さを生み出す原因となります。
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美と善の結びつき
ソクラテスは、真に美しいものは、同時に善いものであるとも主張します。 それは、美しさは秩序と調和から生まれるものであり、秩序と調和は、魂の健全さ、そして最終的には幸福に繋がると考えられているからです。 逆に、醜いものは、無秩序と不調和をもたらし、それは魂の堕落、そして不幸に繋がるとされます。