## ブルクハルトのイタリア・ルネサンスの文化のメッセージ
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近代の発見
ブルクハルトは、14世紀から16世紀にかけてのイタリアを舞台に、古代ギリシャ・ローマ文化を復興し、新しい文化を創造した時代として「ルネサンス」を捉えました。彼は、それまでの歴史観が中世を暗黒時代と見なし、古代から直接近代へ移行したとする見方を批判し、中世と近代の間に独自の文化を持つ「ルネサンス」という時代を位置づけました。
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個人の自覚と解放
ブルクハルトは、ルネサンス期における大きな変化として、個人の自覚と解放を挙げます。中世においては、教会や封建制度の下で個人が抑圧されていましたが、ルネサンス期に入ると、古代文化の復興や経済活動の活性化などを背景に、個人が自身の能力や感性を自由に表現することができるようになりました。
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人間中心主義の世界観
ブルクハルトは、ルネサンス期においては、神を中心とした中世的な世界観から、人間を中心とした世界観への転換が生じたと主張します。彼は、この変化を「近代の発見」と呼び、ルネサンス期における芸術作品や文学作品、そして政治や経済のあり方など、様々な側面からこの変化を読み解こうと試みました。
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国家と君主論
ブルクハルトは、ルネサンス期のイタリアにおいて、君主が個人の能力を発揮して国家を統治する「君主論」が展開された点にも注目しました。彼は、ニッコロ・マキャベリの『君主論』を分析し、君主が道徳や宗教にとらわれずに、現実的な判断に基づいて政治を行うことの重要性を説いた点を評価しています。
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