## フレーベルの人間の教育の秘密
フレーベルの思想における人間観
フレーベルは、人間を神から創造された存在であり、神性を内包していると捉えていました。そして、すべての人間はそれぞれ固有の才能や可能性を秘めており、それを開花させることが教育の目的であると考えました。
「自己活動」と「内発性」の重視
フレーベルは、子供は受動的な存在ではなく、自発的に世界と関わり、学びを構築していく存在であると捉え、「自己活動」の重要性を説きました。 子供自身が興味や関心を持ち、主体的に活動に取り組むことを通して、真の学びが生まれると考えました。 また、子供の中にすでにある知識や能力を引き出す「内発性」も重視し、教師は子供の興味や関心を注意深く観察し、それに合わせた環境や教材を提供する必要があるとしました。
遊びを通した教育
フレーベルは、遊びを子供の最も重要な活動と捉え、「神の恩賜」と表現するほど高く評価していました。 遊びは、子供が自発的に世界と関わり、様々なことを試行錯誤しながら学ぶことができる貴重な機会であると考えました。 特に、自然の中で自由に遊ぶことを重視し、自然との触れ合いを通して、豊かな感性や創造性を育むことができるとしました。
「恩物」の活用
フレーベルは、子供の「自己活動」を促し、「内発性」を引き出すために、独自の教材である「恩物（gaben）」を開発しました。 恩物は、球体や立方体などの単純な幾何学図形を基本としたもので、子供たちは恩物を自由に操作したり、組み合わせて遊んだりすることを通して、形や数、空間などの概念を自然と身につけていくことができます。
教師の役割
フレーベルは、教師を「子供の成長を助ける庭師」に例えました。 庭師が植物の成長を促すように、教師は子供の個性を尊重し、その能力を最大限に引き出すことが重要であると考えました。 教師は、子供一人ひとりの発達段階や興味・関心に合わせた環境を用意し、適切な援助を与えることで、子供の「自己活動」を促し、「内発性」を引き出す役割を担うとしました。