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ヒュームの人間機械論の思想的背景

## ヒュームの人間機械論の思想的背景

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イギリス経験論

ヒュームは、ロックやバークリに続くイギリス経験論の伝統に位置づけられます。この学派は、知識の源泉は経験であると主張し、理性のみで到達できる生得的な観念を否定しました。ロックは、「白い紙」のような白紙状態の心に、経験を通して知識が書き込まれていくと論じました。バークリは、存在するものは知覚されるものであるという「存在とは知覚されることである」というテーゼを掲げ、物質の存在すらも人間の感覚に依存するとしました。

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ニュートン力学の影響

17世紀後半にニュートンが確立したニュートン力学は、当時の自然科学に革命をもたらし、様々な分野に影響を与えました。ヒュームもまた、ニュートンの影響を強く受けた思想家の一人です。ニュートン力学は、宇宙のあらゆる現象を、少数の法則に基づいて機械的に説明することを可能にしました。ヒュームは、このニュートン力学の成功に触発され、人間の精神現象もまた、経験と、経験から生じる観念の結びつきという法則に基づいて説明できると考えました。

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デカルトの心身二元論への批判

デカルトは、心と身体を全く異なる実体として捉える心身二元論を唱えました。彼は、身体は物質的な広がりを持つのに対し、心は思考という非物質的な働きを持つとしました。ヒュームは、デカルトの心身二元論を批判し、心と身体の相互作用を説明できないと指摘しました。ヒュームは、内観によって観察できるのは、様々な観念や感情、思考の連なりであり、「心」という実体そのものは観察できないと主張しました。

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