## パスカルのパンセの周辺
「パンセ」の意味とは
「パンセ」はフランス語で「 pensée 」と綴り、「思考」や「考え」を意味する言葉です。複数形にすることで、「断片的な思考」や「思索の断片」といったニュアンスが強まります。
「パンセ」は未完の著作
ブレーズ・パスカルは「パンセ」を、キリスト教弁証論を構想し、信仰に懐疑的な人々を説得するための著作として執筆していました。しかし、1662年に39歳の若さでパスカルは亡くなり、作品は未完のまま残されました。
「パンセ」の内容
「パンセ」には、哲学、宗教、文学、数学など、パスカルの多岐にわたる関心が反映されています。特に、人間の存在の矛盾、信仰と理性、幸福と不幸、人間の偉大さと悲惨さなど、深遠なテーマが扱われています。
「パンセ」の特徴的な表現
「パンセ」は、体系的な論文ではなく、アフォリズム(箴言)や断片的なメモ、未完成の文章など、様々な形式の文章で構成されています。これは、パスカルが自身の思考をありのままに書き留めようとしたためだと考えられています。
「パンセ」の出版
パスカルの死後、遺族や友人は残された草稿を編集し、1670年に「パンセ」の初版を出版しました。しかし、編集方針の違いなどから、その後も様々な版が出版され、決定版と言えるものが存在しないのも「パンセ」の特徴です。
「パンセ」の影響
「パンセ」は、フランス文学の古典として、また、実存主義の先駆的な作品として、後世の思想家や文学者に大きな影響を与えました。特に、キルケゴール、ドストエフスキー、カミュなど、人間の存在の不条理を描いた作家たちに影響を与えたと言われています。