## バタイユの呪われた部分のメッセージ
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「呪われた部分」とは何か
ジョルジュ・バタイユの主著の一つである『呪われた部分』は、1949年から1961年にかけて執筆され、生と死、理性と狂気、聖なるものと俗なるものといった二元論的な対立を超克しようとする試みです。バタイユはこの著作において、人間存在の根底に横たわる「呪われた部分」と呼ぶべき過剰なエネルギー、すなわち理性や有用性によって捉えきれない力に着目します。
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「過剰なエネルギー」と「浪費」
バタイユによれば、太陽エネルギーをはじめとして、この世界は生命活動に必要な量をはるかに超えるエネルギーに満ち溢れています。人間社会はこの過剰なエネルギーを生産活動に利用することで発展してきましたが、それでもなお使い切れないエネルギーは必ず存在します。バタイユはこの過剰なエネルギーを「浪費」という形で消費することの重要性を説きます。
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「浪費」の形態
バタイユは「浪費」の形態として、戦争や宗教、芸術、性などを挙げます。これらの活動は一見、生産活動とは無関係で、無駄にも思えるかもしれません。しかし、バタイユはこれらの活動の中にこそ、人間存在の根源的なエネルギーの解放を見出します。
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「エロス」と「死」
「浪費」の最もラディカルな形態として、バタイユは「エロス」と「死」を挙げます。性行為において、人間は個体としての自己の限界を超越し、死の淵を垣間見ます。また、死は生命エネルギーの究極的な「浪費」であり、同時に新たな生命を生み出すための土壌ともなります。バタイユは、これらの経験を通して、人間は「呪われた部分」としての過剰なエネルギーと向き合い、自己の限界を超克することができると考えました。
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