## ハロッドの「動態経済学序説」と言語
### ハロッドの経済学における言語の役割についての考え方
ハロッドは、経済学における明瞭で正確な言語の重要性を強く認識していました。彼は、経済学者が使用する用語の曖昧さや多義性が、分析の混乱や誤解を生み出す可能性があると信じていました。
### 「動態経済学序説」における言語の特徴
「動態経済学序説」において、ハロッドは可能な限り厳密で明確な言語を使用しようと努めました。
* **厳密な定義:** 彼は重要な用語、例えば「資本」、「投資」、「貯蓄」などを明確に定義し、それらを一貫して使用しました。
* **数学的表現の導入:** ハロッドは、文章による説明に加えて、数式を用いることで、より正確かつ簡潔に経済モデルを表現しようとしました。彼の有名な「保証成長率」の式はその一例です。
* **新たな用語の創造:** 既存の用語では表現しきれない概念を表現するために、ハロッドは新しい用語を導入することもありました。
### ハロッドの言語に対する批判と影響
ハロッドの言語は、その厳密さを評価される一方で、難解で理解しにくいという批判も受けました。彼の文章は、抽象的な概念や数学的表現が多いため、専門家以外にとっては難解なものでした。
しかし、彼の明瞭で正確な言語の使用は、経済学における分析の厳密化に大きく貢献しました。彼の著作は、後の経済学者たちに大きな影響を与え、経済学における数学的モデリングの普及に貢献しました。