## ハリントンのオシアナの話法
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架空の旅行記という形式
『オシアナ』は、架空の島国オシアナへの航海と、その国の政治体制・社会制度を観察した記録という体裁をとっています。これは、当時のイギリスで出版を規制されていた政治思想を、フィクションという形で提示するための工夫でした。
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対話形式による議論の展開
作中では、航海の参加者である学者や貴族たちが、オシアナの制度について議論を交わします。彼らの専門分野や立場は多岐にわたり、それぞれの視点からオシアナの政治体制や社会制度が分析されます。
対話形式を用いることで、多角的な視点から議論を深めると同時に、読者自身の思考を促す効果も狙っています。
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寓意的な表現
オシアナは、理想的な共和国として描かれていますが、それはそのままの形でイギリスに適用できるものではありません。
ハリントンは、寓意的な表現を用いることで、当時のイギリスが抱える問題点や改善策を、間接的に示唆しました。