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ハリントンのオシアナの力

## ハリントンのオシアナの力

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軍事力と地理

「オシアナ」は、イギリスの政治哲学者ジェームズ・ハリントンによって1656年に出版された政治論文です。作品内では、架空の人物による対話形式を通して、理想的な共和国の形態が論じられています。 オシアナと呼ばれる島国を舞台に、その政治体制や社会構造が詳細に描写されています。

ハリントンは、国の力を支える最も重要な要素として軍事力を挙げ、特に海軍力の重要性を強調しています。オシアナは島国という地理的特性から、強力な海軍を擁することで、外部からの侵略を効果的に阻止できるという設定になっています。

作中では、オシアナ海軍の強さが、周囲のヨーロッパ諸国に対する抑止力として機能し、その結果、オシアナは平和を維持し、経済的な繁栄を享受できる様子が描かれています。
ハリントンは、軍事力の重要性を説くと同時に、それが専制的な権力者の手中に落ちることの危険性についても言及しています。

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土地所有と政治体制

ハリントンは、土地所有の偏りが政治の腐敗につながると考えていました。 オシアナでは、土地所有の平等を維持するために、土地の相続に関する厳しい制限が設けられています。 具体的には、土地の分割相続を禁止し、長子相続を原則とすることで、土地の大規模な集中を防いでいます。

土地所有の平等を基盤として、オシアナでは共和制が採用されています。 市民は選挙を通じて代表者を議会に送り込み、政治に参加します。 ただし、選挙権は一定以上の財産を所有する者に限定されており、完全な普通選挙制は採用されていません。

ハリントンは、土地所有と政治参加の権利を結びつけることで、政治の安定と市民の自由を両立させようと考えました。 オシアナの政治体制は、土地所有の平等を前提とした共和制であり、当時のイギリスの君主制とは大きく異なるものでした。

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