ハリントンのオシアナ の思索
土地の所有と権力の関係
ジェームズ・ハリントンは、著書『オシアナ』の中で、政治権力は土地の所有と不可分に結びついていると主張しました。彼によれば、古代ローマや現代のイングランドといった歴史上の大国は、いずれも広大な土地を所有する少数の貴族によって支配されていました。ハリントンは、このような土地所有の偏りが、必然的に政治権力の集中を生み出すと論じました。
均衡のとれた国家建設のための土地改革
ハリントンは、安定した共和制を実現するためには、土地所有の平等が不可欠であると考えました。彼は、土地所有の上限を設定することで、一部の貴族が過大な権力を握ることを防ぎ、政治権力の均衡を保つことができると主張しました。ハリントンは、土地所有の平等こそが、自由で公正な社会の基盤となると信じていました。
オシアナにおける具体的な制度設計
ハリントンは、『オシアナ』の中で、理想的な国家体制として「オシアナ」と呼ばれる架空の共和国を提示しました。オシアナでは、土地所有の上限が定められ、誰もが一定以上の土地を所有することはできません。また、選挙や議会といった制度を通じて、国民が政治に参加する権利が保障されています。ハリントンは、これらの制度によって、権力の集中を防ぎ、自由で平等な社会を実現できると考えました。