## ハッブルの銀河の彼方の光と影
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光の源
ハッブル宇宙望遠鏡が捉える光の多くは、銀河に存在する星々から放出されたものです。 星は、その中心部で起こる核融合反応によってエネルギーを生成し、光と熱を放出します。 特に、若い大質量星は青く強い光を放ち、銀河の中で明るく輝いています。
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銀河の塵による吸収と散乱
銀河には、星間空間にガスや塵が存在します。 これらの物質は、星からの光を吸収したり散乱したりします。 特に、塵は青い光をより強く散乱するため、塵の向こう側の天体は赤く暗く見えます。 この現象は「赤化」と呼ばれています。
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影の正体
ハッブルの画像に見られる影は、主に銀河に存在する塵やガスによって作られます。 厚い塵やガスの雲は、背後にある星の光を遮り、黒いシルエットとして観測されます。 これらの影は、銀河の構造や塵の分布を知るための重要な手がかりとなります。
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重力レンズ効果
アインシュタインの一般相対性理論によると、重力は空間を歪ませます。 そのため、遠くの銀河の光が、手前にある銀河や銀河団の重力によって曲げられることがあります。 この現象は「重力レンズ効果」と呼ばれ、結果として、遠くの銀河の姿が歪んだり、複数の像として観測されたりすることがあります。
重力レンズ効果は、光を増幅する効果も持ちます。 通常では観測が難しいほど遠く、暗い天体でも、重力レンズ効果によって明るく観測できる場合があります。