ノージックのアナーキー・国家・ユートピアの企画書
書籍名
アナーキー、国家、そしてユートピア
著者
ロバート・ノージック
背景
現代の政治哲学は、ジョン・ロールズの『正義論』の登場により、新しい段階に入ったと言えます。ロールズは、平等主義に基づいた社会正義の概念を提唱し、大きな反響を呼びました。しかし、彼の理論は、個人の権利と自由に対する十分な配慮を欠いているという批判もあります。
本書の目的
本書は、ロールズの『正義論』に対する批判を出発点としつつ、個人の権利を最大限に尊重する国家理論を展開することを目的とします。具体的には、以下の3つのテーマについて考察します。
* アナーキー状態からどのように国家が正当に成立し得るのか
* 国家の正当な権力範囲はどこまでなのか
* 理想的な社会とはどのようなものなのか
本書の内容
本書は、大きく3つの部に分かれています。
* 第一部「アナーキー状態の理論」では、国家が存在しない状態を想定し、そこから最小国家が自然発生的に成立する過程を論じます。
* 第二部「国家を超えて」では、最小国家を超える国家の活動、例えば、福祉国家政策などが、個人の権利を侵害するものであることを論证します。
* 第三部「ユートピア」では、個人の権利が最大限に保障された理想的な社会のあり方について考察します。
本書の特徴
* ロールズの『正義論』に対する本格的な批判書である。
* 個人の権利を重視するリバタリアニズムの立場から、国家論を展開する。
* 哲学、政治学、経済学などの幅広い分野を横断する学際的な著作である。
想定読者
* 政治哲学に関心のある学生、研究者
* リバタリアニズムに関心のある一般読者
* ロールズの『正義論』を読んだ人