Skip to content Skip to footer

ニーブールのローマ史を読む前に

ニーブールのローマ史を読む前に

ローマ史への関心の所在を明確にする

 ニーブールの『ローマ史』は、古代ローマの建国から滅亡までを扱った大著です。政治、軍事、文化など、多岐にわたるテーマが網羅されており、通読には相当な時間と労力を要します。そのため、本書に取り掛かる前に、ご自身がローマ史のどの時代、どの側面に興味を持っているのかを明確にしておくことが重要です。

例えば、共和政ローマの政治闘争に興味がある方は、王政ローマや帝政ローマの記述は読み飛ばしても構いませんし、逆に、ローマ帝国の隆盛と衰退について深く知りたい方は、共和政時代を概観するにとどめてもよいでしょう。

基礎知識を身につける

 ニーブールの『ローマ史』は、専門的な内容を含むため、ある程度の基礎知識がないと理解が難しい部分があります。具体的には、ローマの政治制度、社会構造、宗教、文化、主要な人物などに関する基本的な知識があると、内容がより深く理解できるでしょう。

これらの基礎知識は、入門書やウェブサイトなどで事前に学習しておくことをお勧めします。また、『ローマ史』を読む過程で、わからない用語や出来事が出てきた場合は、都度、辞書や参考書などで調べるようにしましょう。

原著者の視点と時代背景を理解する

 ニーブールの『ローマ史』は、19世紀に執筆された作品です。当時の歴史学の視点や方法論、そしてニーブール自身の歴史観に基づいて書かれていることを意識しておく必要があります。例えば、現代の歴史学では、客観的な史料に基づいた記述が求められますが、ニーブールの時代には、歴史家の主観や解釈が色濃く反映された歴史叙述も一般的でした。

また、『ローマ史』は、ドイツ統一という時代背景の中で執筆されました。ニーブールは、古代ローマの歴史を通して、当時のドイツ国民に国家のあり方や指導者の資質などを訴えかけようとしていたと言われています。このような時代背景を理解しておくことで、ニーブールの歴史観や作品に込められたメッセージをより深く読み取ることができるでしょう。

Amazonで購入する

Leave a comment

0.0/5