## ニーブールのローマ史の機能
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古代ローマ史研究における画期
バルトホルト・ゲオルク・ニーブールが19世紀初頭に著した『ローマ史』(Römische Geschichte)は、古代ローマ史研究に新たな地平を切り開いた画期的な著作です。
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史料批判に基づく歴史記述
ニーブールは、それまでの古代ローマ史研究に見られた伝説や文学作品からの安易な引用を排し、碑文や貨幣などの考古学的資料や、同時代資料に基づく厳密な史料批判を導入しました。
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政治と社会構造の分析
ニーブールは、ローマ史を単なる政治的事件の羅列としてではなく、政治制度、社会構造、経済状況、宗教観などを総合的に分析することで、ローマの興隆と衰退の要因を解明しようと試みました。
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共和政ローマの再評価
それまでのローマ史研究では、共和政ローマは帝政ローマへの過渡期として軽視される傾向がありました。 ニーブールは、共和政ローマこそがローマの繁栄の基礎を築いた時代として高く評価し、その政治制度や社会構造を詳細に分析しました。
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近代歴史学への影響
ニーブールの『ローマ史』は、その厳密な史料批判と客観的な歴史記述によって、近代歴史学の確立に大きく貢献しました。 彼の歴史研究の手法は、ランケやモムゼンなど、後世の歴史家たちに多大な影響を与えました。
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