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ニーブールのローマ史の思想的背景

## ニーブールのローマ史の思想的背景

ニーブールの生きた時代

バルトルト・ゲオルク・ニーブール(Barthold Georg Niebuhr, 1776-1831)は、ドイツの古典文献学者、歴史家であり、「ローマ史」(Römische Geschichte)の著者として知られています。彼は啓蒙主義の理性主義とフランス革命の激動、そしてその後のナポレオン戦争の時代を経験しました。

ドイツ・ロマン主義の影響

ニーブールは、ドイツ・ロマン主義の思想、特に歴史主義の影響を強く受けていました。歴史主義は、各時代や文化には独自の価値や精神があると主張し、過去の出来事をその時代の文脈において理解することの重要性を強調しました。この影響は、ニーブールがローマ史を単なる出来事の羅列としてではなく、ローマ人自身の精神や文化の展開として捉えようとした点に表れています。

文献学的批判と歴史的資料の利用

ニーブールは、文献学的批判の手法を用いて、古代の資料を厳密に分析しました。彼は、リウィウスやプルタルコスといった古代の歴史家の記述を鵜呑みにせず、碑文や貨幣などの考古学的資料も駆使することで、より客観的な歴史像を構築しようとしました。これは、当時の歴史研究において革新的なアプローチでした。

言語学からの影響

ニーブールは、古典文献学だけでなく、言語学にも深い造詣を持っていました。彼は、インド・ヨーロッパ語族の比較言語学の研究を通じて、古代ローマの言語や文化の起源を解明しようとしました。この言語学的なアプローチは、ローマ史の初期、特に伝説時代に焦点を当てた彼の研究に影響を与えています。

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