Skip to content Skip to footer

ニーブールのローマ史の力

ニーブールのローマ史の力

歴史記述における革新:文献批判に基づく実証主義

バルトホルト・ゲオルク・ニーブールは、古代ローマ史研究に革命をもたらした歴史家として知られています。彼の主著『ローマ史』(Römische Geschichte)は、19世紀初頭の学問界に衝撃を与え、その後の歴史学の研究方法に多大な影響を与えました。

伝説と史実の峻別:初期ローマ史への批判的分析

ニーブールの最も重要な功績の一つは、古代の文献に批判的に向き合い、伝説と史実を峻別しようとした点にあります。従来のローマ史研究では、リウィウスやプルタルコスといった古代ローマの著述家の記述が、そのまま歴史的事実として受け止められていました。しかしニーブールは、これらの記述に含まれる矛盾点や誇張、後世の脚色などを鋭く指摘し、その信憑性を厳しく検証しました。

史料批判の手法:断片的な情報を統合

ニーブールは、古代の碑文や貨幣、遺跡など、文献以外の史料も積極的に活用しました。そして、断片的な情報をパズルのように組み合わせることで、失われた歴史の復元を試みました。このような史料批判の手法は、現代の歴史学においても不可欠なものとなっています。

政治的背景と歴史解釈:ニーブールの保守主義

ニーブールの歴史観は、当時の政治状況や彼の保守的な思想の影響を受けています。彼は、フランス革命やナポレオン戦争を経験したことで、民衆の政治参加に懐疑的な立場をとっていました。そして、古代ローマにおける貴族政治の安定性を高く評価し、その教訓を現代社会に生かそうとしました。

Amazonで詳細を見る

Leave a comment

0.0/5