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ニーチェのアンチ・クリストの構成

ニーチェのアンチ・クリストの構成

「ニーチェのアンチ・クリスト」の構成

「アンチ・クリスト」は、全部で62の節に分かれており、それらはさらに大きな章には分けられていません。しかし、内容の流れを追っていくと、大きく分けて以下の6つの部分に分けられると考えられます。

第一部:序論(第1節~第7節)

この部分では、ニーチェ自身の思想の概略と、「アンチ・クリスト」を執筆するに至った動機が述べられています。ニーチェは自らを「反キリスト者」と位置づけ、キリスト教を「人類に対する最大級の犯罪」と断罪します。

第二部:キリスト教の起源に対する批判(第8節~第23節)

ここでは、キリスト教の起源、特にパウロの役割について批判的に考察しています。ニーチェは、本来のキリスト教はイエスではなくパウロによって創始されたものであり、それはユダヤ教の道徳を退廃させたものであると主張します。

第三部:キリスト教の道徳に対する批判(第24節~第38節)

この部分では、キリスト教の道徳、特に「憐れみ」「同情」「禁欲」といった概念を批判しています。ニーチェは、これらの道徳は弱者の道徳であり、人類の力強い生命力を衰退させるものであると主張します。

第四部:キリスト教と歴史(第39節~第49節)

ここでは、キリスト教が歴史に与えた影響について考察しています。ニーチェは、キリスト教はローマ帝国の衰退を招き、その後もヨーロッパ文化の発展を阻害してきたと主張します。

第五部:キリスト教に対するニーチェ自身の立場(第50節~第59節)

この部分では、ニーチェ自身の宗教観、道徳観が展開されます。ニーチェは、「神は死んだ」と宣言し、伝統的な価値観の崩壊を予言します。そして、人間は「超人」を目指して自己を超克していくべきだと主張します。

第六部:結論(第60節~第62節)

最後の部分では、ニーチェは再びキリスト教への痛烈な批判を繰り返します。そして、キリスト教を克服し、「大いなる正午」を迎えることを読者に呼びかけます。

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