ナボコフのロリータを読んだ後に読むべき本
罪と罰 ドストエフスキー著
「ロリータ」を読み終えた後、読者の心にはハンバート・ハンバートの歪んだ愛と自己正当化の物語が残ることでしょう。彼の巧みな語り口は、読者をハンバートの主観に引き込み、道徳的な境界線を曖昧にしようとします。そこで、ドストエフスキーの「罪と罰」を読むことは、ハンバートの罪の意識と自己欺瞞というテーマをさらに深く掘り下げるための対極的な視点を提供してくれます。
「罪と罰」は、老婆を殺害した貧しい元大学生ラスコーリニコフの心理を描いた作品です。ラスコーリニコフは、自らを「選ばれた人間」と信じ、社会の道徳を超越していると考えることで、自身の罪を正当化しようとします。しかし、罪を犯した後、彼は激しい罪悪感とパラノイアに苦しめられるようになります。
「ロリータ」と「罪と罰」は、一見すると全く異なる物語のように思えるかもしれません。しかし、両作品とも、罪の心理、自己欺瞞、罰の避けられない性質といった普遍的なテーマを探求しています。ハンバートとラスコーリニコフは共に、自らの行動を正当化しようとしますが、最終的には、自らの罪の重さに押しつぶされていくのです。
「ロリータ」の読後、「罪と罰」を読むことで、読者は罪と罰というテーマに対するより深い理解を得ることができるでしょう。ドストエフスキーの心理的な洞察力は、ハンバートの歪んだ心をさらに深く探求し、道徳的な責任と自己欺瞞の本質についての考察を促します。