ドワーキンの法の帝国の企画書
### 書籍名
法の帝国
### 著者
ロナルド・ドゥウォーキン
### 本書の背景
法哲学は、20世紀後半、法実証主義と自然法論の対立という構図の中で議論されてきました。ハートの法実証主義は、法の妥当性を社会的事実によって説明しようとしますが、この見解は、法の道徳性との関連や、困難な事例における裁判官の役割を十分に説明できないという批判があります。
### 本書の目的
本書は、従来の法実証主義や自然法論を超える、新たな法理論「解釈主義的法理論」を提示することを目的とします。解釈主義は、法を単なる規則の体系としてではなく、解釈の対象として捉え、法の適用と展開において道徳的判断が不可欠であることを論じます。
### 本書の構成（予定）
本書は、以下の3部構成を予定しています。
* **第1部：法の基礎づけ**
このパートでは、法の根源的な問題を扱います。法とは何か、法に権威はあるのか、法に従う義務はあるのか、といった問いに対して、解釈主義の観点から考察します。
* **第2部：法の権利としての解釈**
このパートでは、権利論に基づいた法解釈の理論を展開します。法原則と政策の違いを明確化し、裁判における権利論の役割を論じます。
* **第3部：法の帝国**
このパートでは、具体的な法分野における解釈主義の適用例を示します。特に、表現の自由、平等権、死刑などを題材に、解釈主義に基づく法的推論を展開します。
### 本書の意義
本書は、法哲学、憲法学、法解釈学などの分野に多大な影響を与えることが期待されます。
* 法哲学においては、解釈主義という新たな法理論を提示し、従来の法実証主義と自然法論の対立を乗り越えるための新たな視点を提供します。
* 憲法学においては、権利論に基づいた憲法解釈の理論を提供し、憲法上の諸問題に対する新たなアプローチを提示します。
* 法解釈学においては、法解釈における道徳的判断の重要性を論じ、裁判官の役割について新たな洞察を提供します。
### 参考文献
* H.L.A. ハート『法の概念』
* ジョン・ロールズ『正義論』