ドワーキンの法の帝国に匹敵する本
ロン・フラー、「法律の道徳性」
「法の帝国」と同様に、ロン・フラーの「法律の道徳性」は、法哲学の分野における影響力のある作品です。この1964年の著書でフラーは、法と道徳の分離可能性について、自然法論者の立場から独自の視点を提示しています。フラーは、法が道徳的内容を持つ必要はないと主張する法律実証主義に真っ向から反対します。彼は、法体系が満たすべきであると彼が考える8つの最低限の道徳的要件、彼が「法の内部道徳」と呼ぶものを概説することでこれを行います。
フラーの「法の内部道徳」には、一般性、公布、遡及適用、明瞭さ、非矛盾、実行可能性、恒常性、および制定された法と実際の適用との間の適合性が含まれます。これらの原則に従うことで、フラーは、法体系が、単に権力の行使であるだけでなく、市民に道徳的に正当な方法で行動することを導くために役立つ、一種の相互性の網を作成すると主張しています。
「法の帝国」のように、「法律の道徳性」は、法哲学者の間で多くの論争を引き起こし、法と道徳の関係の性質に関する継続的な議論に多大な貢献をしました。