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ドッブの価値と分配の諸理論の原点

## ドッブの価値と分配の諸理論の原点

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ドッブの知的背景

モーリス・ドッブは、1900年にイギリスのロンドンで生まれました。ケンブリッジ大学で経済学を学び、ジョン・メイナード・ケインズやアーサー・セシル・ピグーといった著名な経済学者の影響を受けました。特に、ピグーの福祉経済学は、後のドッブの分配論に影響を与えたと考えられています。

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マルクス経済学との出会い

ドッブは、大学卒業後にソビエト連邦を訪問したことをきっかけにマルクス経済学に傾倒していきます。彼は、資本主義社会における生産関係や階級闘争というマルクスの分析に共鳴し、その後の研究活動においてマルクス経済学の立場から資本主義経済を分析することになります。

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価値と分配の理論への関心

ドッブは、マルクス経済学の中核的なテーマである価値と分配の問題に強い関心を持ち続けました。彼は、古典派経済学からマルクス、そして現代の経済学に至るまで、様々な経済学者がどのように価値と分配の問題に取り組んできたのかを研究し、その成果を”Theories of Value and Distribution Since Adam Smith”(1973年)などの著作にまとめました。

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ドッブの価値と分配の理論

ドッブは、マルクスの労働価値説を継承し、資本主義社会における利潤や地代といった分配の源泉は、労働者の搾取によって生み出されると主張しました。彼は、労働者が生産した価値と、労働者に支払われる賃金の差額が、資本家の利潤となると考えました。

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現代経済学への批判

ドッブは、当時の主流派経済学が、市場メカニズムや均衡分析を重視するあまり、資本主義社会における根本的な矛盾や階級対立を軽視していると批判しました。彼は、経済学が社会における権力関係や不平等問題を正面から取り上げるべきだと主張しました。

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