## デューイの論理学 探求の理論の機能
探求の過程における論理の役割
デューイは、論理を形式的な妥当性の体系として捉えるのではなく、人間の探求の過程と不可分に結びついたものとして理解しました。彼にとって、論理は思考の規則を提供するものではなく、経験の世界における問題解決を導くための道具でした。
探求の段階
デューイは、探求をいくつかの段階からなる動的なプロセスとして描きました。まず、人間は未解決の状況や問題に直面します。この状況は、疑念、困惑、不安などの不確定要素を含んでおり、探求の動機付けとなります。次に、この不確定な状況を明確化し、問題を明確に定義しようとします。この段階では、観察、分析、過去の経験の想起などが行われます。問題が明確化された後は、解決策の仮説が立てられます。この仮説は、これまでの知識や経験に基づいて形成されますが、さらなる検証が必要です。そして、仮説の検証が行われます。この段階では、実験、観察、論証などの方法が用いられ、仮説が妥当であるかどうかが検証されます。最終的に、仮説が検証され、問題に対する解決策が得られます。
論理の機能
デューイの論理学において、論理は探求の各段階において重要な役割を果たします。問題の明確化の段階では、論理は観察結果を整理し、問題の所在を明確にするために用いられます。仮説の形成段階では、論理は過去の経験から得られた知識に基づいて、妥当性の高い仮説を導き出すために機能します。そして、仮説の検証段階では、論理は実験や観察の結果を解釈し、仮説の妥当性を判断するために用いられます。
経験と論理の相互作用
デューイは、経験と論理を相互に依存するものとして捉えました。彼にとって、論理は経験から独立して存在するのではなく、経験を通して形成され、経験を導くものでした。探求の過程において、人間は経験を通して新しい知識や洞察を獲得し、その知識や洞察に基づいて論理を精緻化していきます。このように、デューイの論理学は、経験と論理の相互作用を重視する点に大きな特徴があります。
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