## デューイの民主主義と教育から得られるもの
教育と経験の連続性
デューイは、教育を、個人が社会の一員として成長していくための経験の過程として捉えました。伝統的な教育では、知識を断片的に教え込む傾向にありますが、デューイは、実生活と結びついた経験を通して、子どもたちが自ら学び、成長していくことの重要性を説いています。
彼の提唱する「経験主義」は、子どもたちが五感をフル活用し、周囲の世界と積極的に関わることを推奨します。そして、試行錯誤を繰り返しながら、問題解決能力や批判的思考力を養っていくことを重視します。デューイにとって、教育とは、単に知識を詰め込むことではなく、人生における問題や課題に主体的に向き合っていくための力を育むプロセスなのです。
民主主義社会における教育の役割
デューイは、民主主義社会において、教育が重要な役割を担うと考えていました。民主主義社会では、市民一人ひとりが、社会問題について考え、議論し、合意形成していくことが求められます。そのためには、批判的思考力、コミュニケーション能力、協調性など、様々な能力を育む必要があります。
デューイは、学校を「小さな社会」と見なし、子どもたちが民主的な社会生活を体験できる場であるべきだと主張しました。学校において、子どもたちは、意見を交換し、議論し、合意形成のプロセスを経験することで、民主主義社会で必要とされる市民としての資質を身につけていくことができます。
教師の役割
デューイは、教師を、子どもたちの学びを導く「ファシリテーター」として位置づけました。教師は、一方的に知識を教えるのではなく、子どもたちの興味関心を引き出し、学びを促進する役割を担います。
具体的には、子どもたちの発達段階や個性を考慮しながら、適切な学習環境を整えたり、子どもたちの疑問や問題意識を引き出すような問いかけを行ったりすることが求められます。さらに、子どもたちが主体的に学びを深めていけるよう、様々な学習方法や教材を工夫していくことも重要です。
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