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デカルトの方法序説の案内

## デカルトの方法序説の案内

方法序説の概要

『方法序説』(Discours de la méthode) は、1637年に出版されたルネ・デカルトの哲学書です。原題は『理性を使⽤して⾃分の理性を導き、諸学問において真理を索める⽅法についての序説、およびこの⽅法による屈折光学、⽓象学、⼏何学についての試論』(Discours de la méthode pour bien conduire sa raison, et chercher la vérité dans les sciences. Plus la Dioptrique, les Météores et la Géométrie, qui sont des essais de cette méthode) と⾔い、哲学的⽅法論を説いた序⽂と、その⽅法論を実際に適用した三つの試論からなります。

方法序説の位置づけ

『方法序説』は、伝統的な哲学や学問の権威に頼らず、人間の理性に基づいて真理を探求しようとする近代哲学の出発点と見なされています。 また、フランス語で書かれた哲学書のさきがけとして、その後のフランス文学にも大きな影響を与えました。

構成

『方法序説』は、全体で6つの部分から構成されています。

* **第1部**: デカルト自身の学問体験を振り返り、既存の学問に失望し、新たな方法を必要とした経緯が語られます。
* **第2部**: 新しい方法の原理が4つ提示されます。
* 明晰判明なものを疑わないこと
* 問題を可能な限り小さな部分に分割すること
* 単純なものから複雑なものへと順序立てて考えること
* 全体を見直し、見落としがないかを確認すること
* **第3部**: 暫定的道徳として、4つの規則が提示されます。
* 慣習に従って行動すること
* 自分の判断に従って行動すること
* 与えられたものを変えることよりも、自分自身を変えること
* 最善のものを選択すること
* **第4部**: 「我思う、ゆえに我あり」という有名な命題を基礎に、神の存在証明と、外界の存在証明が展開されます。
* **第5部**: 人間の身体と霊魂の関係についての考察が展開されます。
* **第6部**: 真理探求の困難さについて述べ、哲学研究を続ける決意が語られます。

方法序説の主題

『方法序説』の主題は、以下の3つに集約されます。

* **方法的懐疑**: あらゆる先入観や偏見を捨て、疑うことから真理探求を始めるという考え方
* **理性主義**: 人間の理性こそが、真理認識の基礎となるという考え方
* **心身二元論**: 人間の心と身体は、それぞれ独立した実体であるという考え方

方法序説の影響

『方法序説』は、その後の哲学、科学、思想に多大な影響を与えました。 特に、合理主義を基盤とする近代哲学の発展に大きく貢献しました。また、デカルトの提唱した方法的懐疑は、科学的方法論の基礎としても受け継がれています。

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