## デカルトの方法序説の技法
第一の規則：明証的に真であると認められるものだけを真と認めること
デカルトは、感覚や伝統的な権威に頼らず、疑いようのない確実な真理を土台に知識体系を再構築しようとしました。そのために、彼はまずあらゆるものを疑うという方法的な懐疑を採用しました。そして、この懐疑に耐えうる唯一の真理として、「私は考える、ゆえに私は存在する」(cogito ergo sum) を発見しました。
第二の規則：検討する難問をできるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけ多くの小部分に分割すること
複雑な問題を一度に解決しようとすると、混乱が生じ、誤りが入り込む余地が生まれます。デカルトは、問題をより単純で扱いやすい小さな部分に分解することで、真理に到達しやすくなると考えました。
第三の規則：最も単純なもの、かつ認識しやすいものから始め、徐々に最も複雑なものの認識へと昇っていくこと
複雑な事柄も、単純な要素から構成されています。デカルトは、最も単純で明晰な事柄から出発し、段階的に複雑な事柄へと進んでいくことで、確実な認識を得ることができると考えました。
第四の規則：全体を見渡し、何も見落とさないように、完全な枚挙と全体にわたる綿密な検討を行うこと
デカルトは、真理を見つけるためには、あらゆる可能性を考慮し、見落としがないことを確認することが重要だと考えました。そのため、完全な枚挙と綿密な検討を重視しました。
これらの四つの規則は、デカルトが確実な知識を獲得するために用いた方法であり、「方法序説」の中で詳しく説明されています。