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テンニエスのゲマインシャフトとゲゼルシャフトの話法

テンニエスのゲマインシャフトとゲゼルシャフトの話法

ゲマインシャフトとゲゼルシャフトとは

ドイツの社会学者フェルディナント・テンニエスが提唱した概念である「ゲマインシャフト(Gemeinschaft)」と「ゲゼルシャフト(Gesellschaft)」は、人間の社会集団における関係性のあり方を対比的に示すものです。

ゲマインシャフト的側面

「ゲマインシャフト」は、日本語では「共同社会」と訳され、家族や村社会のように、情緒的な結びつきや共通の価値観、伝統に基づいた社会関係性を指します。メンバーは相互に親密な関係性を持ち、互いの幸福や利益を重視し、集団への帰属意識や連帯感を共有しています。

テニスにおいても、地域のテニスサークルや学校の部活動など、顔見知りのメンバーが中心となって活動する場では、ゲマインシャフト的な側面が見られます。例えば、メンバー同士が練習や試合を通じて互いに高め合い、大会での勝利を分かち合い、オフシーズンには親睦を深めるイベントを開催するなど、強い絆で結ばれた共同体的な側面が存在します。

ゲゼルシャフト的側面

一方、「ゲゼルシャフト」は「利益社会」と訳され、近代都市に見られるような、契約や規則に基づいた機能的な社会関係性を示します。メンバーは個々の利益や目的を追求し、合理性や効率性を重視するため、関係性は希薄になりがちです。

テニスにおいて、プロツアーや全国規模の大会など、見知らぬ者同士が競い合う場では、ゲゼルシャフト的な側面が強くなります。プレイヤーは個々の目標達成のために、コーチやトレーナーと契約し、賞金やランキングポイント獲得を目指して試合に臨みます。対戦相手との関係性はあくまでも競技者としてのそれであり、個人的な感情や情実は排除されます。

両側面の共存

重要なのは、現実の社会集団においては、ゲマインシャフトとゲゼルシャフトのどちらか一方のみが存在するのではなく、両者が複雑に絡み合いながら存在している点です。

テニスにおいても、ゲマインシャフト的な側面が強いサークル活動であっても、練習メニューや試合のルール、メンバーの役割分担などは、明文化された規則や暗黙の了解に基づいて運用されており、ゲゼルシャフト的な側面も内包しています。

逆に、プロツアーのようなゲゼルシャフト的側面の強い世界であっても、同じ国の選手同士が互いに励まし合ったり、長年のライバル関係から友情が芽生えたりするなど、人間的な繋がりが生まれることもあります。

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