## テグジュペリの風、砂と星
「人間の偉大さ」について
テグジュペリは、砂漠で墜落し、死と隣り合わせの状況に置かれた自身の体験を通して、人間の真の偉大さが何であるかを問いかけています。それは、物質的な豊かさを追い求めることではなく、目に見えないもの、例えば友情、愛、献身、義務感、責任感といった精神的な価値観を大切にすることであると説いています。
「自然との対話」について
広大な砂漠、満天の星空、容赦なく吹き荒れる風など、雄大な自然の中で、テグジュペリは人間存在の小ささ、そして自然の持つ圧倒的な力に直面します。しかし、同時に自然と対話することによって、人間の抱える孤独や不安、恐怖心を克服し、生きる意味を見出そうともしています。
「友情と連帯」について
孤独な飛行の中、テグジュペリにとってかけがえのない存在となるのが、メカニックのプレヴォや、共にサハラ砂漠を彷徨ったガイドの存在です。過酷な状況下において、人と人が支え合い、助け合うことの大切さを訴えるとともに、真の友情とは何かを問いかけています。
「飛行への情熱」について
テグジュペリにとって飛行は単なる移動手段ではなく、自由への憧れ、未知の世界への挑戦、そして人間存在の限界を超越する行為そのものを象徴しています。危険と隣り合わせの飛行の中でこそ感じる生の喜び、高揚感、そして恐怖心は、彼自身の生命観と深く結びついています。