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ダイシーの「法と世論」の思考の枠組み

## ダイシーの「法と世論」の思考の枠組み

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ダイシーの問い

ダイシーは、「法と世論」の中で、 *「19世紀イギリスにおける法の制定や発展に、世論はどのような影響を与えたのか?」* という問いを立てています。彼は、この問いに対して歴史的・社会学的な分析を試み、法と世論の複雑な関係を明らかにしようとしました。

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「世論」の定義

ダイシーは、「世論」を *”ある特定の社会において、特定の時期に、特定の問題について、分別ある市民の間に存在する共通の意見”* と定義しています。 彼は、この「世論」が単なる多数意見ではなく、理性的な思考に基づいた共通認識であることを強調しています。

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法への影響

ダイシーは、世論が法に影響を与えるプロセスを3つの段階に分けました。

1. **世論の形成**: まず、社会の中で特定の問題に対する関心が高まり、議論が活発化することで、世論が形成されます。
2. **法への圧力**: 次に、形成された世論は、政治家や立法機関に対して、法改正や新たな立法を求める圧力となります。
3. **法の制定・改廃**: 最後に、政治家や立法機関は、世論の圧力を受け、法の制定や改廃を行います。

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時間的遅延

ダイシーは、世論が法に影響を与えるまでには、ある程度の時間的遅延が存在することを指摘しています。これは、世論が形成され、政治的なプロセスを経て法が制定されるまでには、一定の時間が必要となるためです。

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相互作用

ダイシーは、法と世論の関係は一方通行ではなく、相互に影響を与え合うものであると考えていました。 つまり、世論が法に影響を与えるだけでなく、制定された法は人々の意識や行動に影響を与え、新たな世論を形成する要因となりえます。

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