## タキトゥスのゲルマニアの対極
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「ゲルマニア」とは何か
古代ローマの歴史家タキトゥスが98年頃に著した「ゲルマニア」は、当時のゲルマン民族の風習、社会構造、軍事力などを詳細に記録した民族誌です。ローマ帝国の北方に位置し、未開の地と見なされていたゲルマン社会を、ローマ人読者に向けて紹介する目的で書かれました。
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対極となり得る要素
「ゲルマニア」の対極を考察する上で、以下の要素を考慮する必要があります。
* **著者:** ローマ人であるタキトゥスに対し、対極となるのは被支配層、外部からの視点を持つ人物による著作
* **対象:** ゲルマン民族という「他者」ではなく、自民族、自文化についての記述
* **視点:** ローマ帝国中心的な視点ではなく、辺境、あるいは多角的な視点からの記述
* **目的:** ローマへの警鐘ではなく、自文化の肯定、記録、あるいは他文化への理解を目的とするもの
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対極の候補
これらの要素を踏まえ、「ゲルマニア」の対極となりうる歴史的名著として、以下のような候補が考えられます。
* **ヘロドトスの「歴史」:** 古代ギリシアの歴史家ヘロドトスが、ギリシア人とペルシア人の戦争を中心に、様々な文化や民族について記述した書物。多様な視点からの記述が特徴。
* **司馬遷の「史記」:** 中国前漢時代の歴史家司馬遷が編纂した中国の歴史書。伝説時代から漢武帝の時代までを網羅し、自国の歴史を体系的に記録している。
* **「日本書紀」:** 日本最古の歴史書の一つ。神話時代から持統天皇の時代までを扱い、日本の成り立ちや天皇家の正当性を記している。
これらの書物は、「ゲルマニア」とは異なる文化圏、歴史的背景の中で書かれ、異なる目的と視点を持ちます。それぞれの書物における著者の立場、記述対象、目的などを比較検討することで、「タキトゥスのゲルマニア」の対極についてより深い考察が可能になるでしょう。