## ソーロキンの社会学理論の面白さ
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壮大な歴史観に基づく文明論
ピティリム・ソーキンは、19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍したロシア・アメリカの社会学者です。彼の社会学理論の面白さは、何と言ってもその壮大な歴史観に基づく文明論にあります。ソーキンは、西洋文明を含む人類の歴史を、感覚的、観念的、理想的という3つの文化類型が循環するという壮大なサイクルの中で捉えました。
* **感覚的文化** は、物質的な快楽や感覚的な満足を重視する文化です。
* **観念的文化** は、精神的な価値や宗教的信仰を重視する文化です。
* **理想的文化** は、感覚と精神のバランスが取れた文化です。
ソーキンは、現代西洋文明を、物質主義と享楽主義に偏った「感覚的文化」の行き詰まりと見なし、そこから脱却するためには、精神的な価値を重視する「観念的文化」への転換が必要であると主張しました。
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社会現象を総合的に捉える視座
ソーキンは、社会を、文化、社会構造、パーソナリティという三つの相互に関連するシステムから成り立つものとして捉えました。そして、社会現象を理解するためには、これらのシステム間の相互作用を総合的に分析する必要があると主張しました。
例えば、ソーキンは、社会変動を、単なる経済的な要因や政治的な要因によって説明するのではなく、文化的な価値観やイデオロギーの変化との関連で捉えました。また、個人の行動についても、単なる心理的な要因によって説明するのではなく、その個人が属する社会集団の規範や価値観との関連で捉えました。
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現代社会への鋭い批判
ソーキンは、現代社会が抱える様々な問題、例えば、戦争、暴力、貧困、環境破壊などは、現代社会が「感覚的文化」に偏っていることに起因すると考えました。そして、これらの問題を解決するためには、「理想的文化」への転換が必要であると主張しました。
ソーキンの現代社会への批判は、現代社会の物質主義や享楽主義に対する警鐘であり、現代社会が進むべき方向性を示唆するものとして、今日でも多くの示唆を与えてくれます。
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