スピノザのエチカの表現
スピノザのエチカにおける表現の特徴
スピノザの主著『エチカ』は、その題名に反して、伝統的な倫理学のスタイルとは大きく異なる形式で書かれています。
幾何学的秩序に従った表現
『エチカ』のもっとも顕著な特徴は、ユークリッド幾何学の形式を模倣したその表現方法にあります。
各部分は、「定義」、「公理」、「命題」、「証明」、「系」、「注釈」といった要素から構成され、論理的な必然性と演繹的な明晰性を追求しています。
定義の重要性
スピノザは、議論の出発点となる重要な用語を明確に定義することから始めます。
例えば、「神」、「実体」、「属性」、「様態」といった哲学的概念は、 あいまいさを排除し、誤解を防ぐために、厳密に定義されます。
公理に基づく演繹
定義に続いて、自明の理として受け入れるべき「公理」が提示されます。
これらの公理は、証明を必要としない基本的 truths として機能し、その後の議論の基礎となります。
スピノザは、定義と公理から出発し、論理的な推論によって命題を導き出し、証明を加えることで、体系的な議論を展開していきます。