スピノザのエチカのテクスト
エチカの構成
『エチカ』は、幾何学的秩序に従って構成されています。公理、定義、命題とその証明という形式で、ユークリッド幾何学のように体系的に展開されます。これは、スピノザが理性に基づいた確実な知識体系を構築しようとしたことを示しています。
神あるいは自然
Substanzbegriff
スピノザは、神を「自存し、自己自身によって理解されるもの、すなわち、その本質が実存を含み、その概念を説明するために他のいかなる概念も必要としないもの」と定義します。これは、神が唯一の独立した実体、すなわち「Substanz」であることを意味します。
属性と様態
Attribute und Modi
神は無限の属性を持つとされますが、我々人間は思考と空間という二つの属性しか認識できません。これらの属性を通して、神は無限の様態で現れます。様態とは、神の属性の変化、あるいは神の属性において理解されるものです。
心身平行論
Parallelismus von Körper und Geist
思考と空間は神の二つの属性であるため、心と体は別々の実体ではなく、一つの同一の実体の二つの側面に過ぎません。これがスピノザの心身平行論です。心と体は相互作用するのではなく、神の属性の表現として完全に対応しています。
自由と必然性
Freiheit und Notwendigkeit
スピノザは、すべてのものは神の必然性によって決定されると考えます。しかし、彼は自由意志を否定しません。真の自由とは、神の必然性を理解し、それに従って生きることであり、情念に支配されることから解放されることです。
エチカの目的
Ziel der Ethik
『エチカ』の最終的な目的は、神への知的愛に到達することです。神を理性によって真に理解することで、我々は永遠の幸福、すなわち至福に達することができます。