## ジッドの食糧・人口・経済成長に匹敵する本
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人口論 – その現状と将来への展望
トーマス・ロバート・マルサスの著書「人口論」は、1798年に匿名で出版されました。この本は、人口増加が幾何級数的に進む一方で、食料生産は算術級数的にしか増加しないという「マルサスの人口論」を提唱し、食糧不足と貧困の根本原因として人口増加を挙げました。
マルサスは、人口と資源の不均衡が必然的に飢饉、病気、戦争といった「積極的な抑制力」を引き起こし、人口増加を抑えると主張しました。また、彼は道徳的自制、晩婚、出産制限といった「予防的抑制力」によって人口増加を抑制することも提唱しました。
「人口論」は、出版当時から大きな論争を巻き起こし、経済学、社会学、人口統計学など、様々な分野に多大な影響を与えました。マルサスの思想は、後の新マルサス主義や社会ダーウィニズムにも影響を与え、人口増加と資源の限界に関する議論の出発点となりました。
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経済成長の理論
ロバート・ソローの著書「経済成長の理論」は、1956年に発表された論文を基に、1970年に出版されました。この本は、新古典派経済学の成長理論の基礎を築き、技術進歩が経済成長の主要な要因であることを明らかにしました。
ソローは、資本蓄積だけでは持続的な経済成長は達成できないことを示し、技術進歩が経済成長のエンジンとなることを数学的なモデルを用いて証明しました。彼は、技術進歩を「マナ」と呼び、それが経済全体に均等に降り注ぐことで、経済成長が持続すると考えました。
「経済成長の理論」は、現代のマクロ経済学、特に経済成長論に多大な影響を与え、ソローは1987年にノーベル経済学賞を受賞しました。彼の理論は、技術革新の重要性を再認識させ、経済政策の立案にも大きな影響を与えました。