ジスモンディの政治経済学新原理の技法
歴史的アプローチ
ジスモンディは、アダム・スミスをはじめとする古典派経済学者が採用した演繹的な方法ではなく、歴史的なアプローチを採用しました。彼は、経済現象を歴史的な文脈の中で捉え、過去の経済体制や政策がどのように機能してきたかを分析することで、現代社会の経済問題に対する洞察を得ようとしました。
帰納的推論
歴史的な事例研究を通じて、ジスモンディは帰納的な推論を用いて経済現象の背後にあるメカニズムを明らかにしようとしました。彼は、特定の経済政策や出来事がもたらした結果を観察し、そこから一般的な法則や傾向を導き出そうとしました。
統計データの利用
ジスモンディは、自らの主張を裏付けるために、可能な限り統計データを使用しました。彼は、人口、生産量、貿易額などの統計データを用いて、経済状況を定量的に分析しようとしました。
道徳的考察
ジスモンディの経済学は、道徳的な考察から切り離されたものではありませんでした。彼は、経済現象を単なる数字の問題として扱うのではなく、それが人々の生活や社会全体に及ぼす影響について深く憂慮していました。
制度分析
ジスモンディは、経済現象を理解するためには、制度的な要因を考慮することが重要であると認識していました。彼は、所有権制度、法律制度、政治体制などが経済活動に大きな影響を与えると考えていました。